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地震に伴う大仕事。 [仕事]

地震が発生したときは自宅にいて、新しく買った本棚の組み立てをしているところでした。揺れている時間が非常に長く、しかもエスカレートしているようだったので、「これは今度こそやばいか?」と思いながら、空で倒れやすい新しい本棚を押さえていました。リビングでは相方が子供2人(息子は床で昼寝中、娘はだっこ中)を守りながら「こっちへ来て助けて!」と言い続けていましたが、揺れの勢いが下降線をたどるまでは僕もそのときいるところを動けませんでした。

結果的にはうちは家族全員何のけがもなく、物的被害もありませんでした。しかし、この地震が、僕にとって、これまでの人生で最大のものだったことは確かです。

さて、それはともかく、ここでの話は僕の仕事場である大学のことです。春休みで自宅にいた僕は、職場が被害を受けるなんてことは全く頭になかったのですが、今日の昼前に大学から電話があり、地震により生じた仕事のために出かけることになりました。それは、3月末に任期を終えるのを待つばかりだった研究室委員会委員長としての業務がにわかに発生したことを意味するものでした。

内容は、研究室で本が落ちたり書架が倒れたりして被害を受けたものをどのように復旧するかです。内開きのドアの前にたくさんの本が落ちてドアが開かなくなってしまった研究室もあるということでした。このような大学の財産の問題は、法人の管財部が担当して復旧するものなのですが、研究室の場合、これを法人が勝手に復旧すると、教授会の自治が侵された、と非難が出てしまうんだそうです。過去のキャンパス移転時などにそのようなことがあったので、僕たち研究室委員会が教学側の代表として納得ずくでやるんだという形を取る必要があったのだということでした。

それで、キャンパス自体が立ち入り禁止措置を執られている中、ヘルメットかぶって軍手をして視察したわけですが、見たのは最も被害がひどい部類の部屋です。

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さすがに丘陵地帯の12階の高層建築だな、という感想をまず持ちました。自分の研究室を見る機会はなかったのですが(見たら職権濫用ですね)、僕のところは作り付けの書架以外に書架を入れていないので、恐らく上の方に入れた本が落ちているくらいかなあ、と予測しています。

特に2つめの写真の部屋のように、書架が途中まで倒れて止まっているような場所は、いくら教授会の自治があるとは言え、最初にその部屋の教員が入って作業することはあまりにも危険です。そこで、研究室委員会の合意の下、業者が危険を取り除くところまでをやるというのが第1段階です。

第2段階は、それ以外の部屋も含めた、研究室内の復旧です。その1つは、書架の固定で、入り口に目隠し的に置きながら、何の支えもしていなかった書架などはたいていが倒れてひしゃげています。それを新しいものと交換し、耐震対策として完全に固定します。もう1つは書棚の整理です。本が多い部屋などでは、落ちた本を元に戻す作業を教員1人でやるのは手に余るだろうという判断で、法人側として、ヘルパー2人を半日用意する準備があるということでした。その必要性の判断をするために、来週中に研究室内を各自確認し、ヘルパーの必要性の有無をアンケート回答する、復旧作業は4月の新学期開始までに行うこととして、日程調整のために希望をアンケート調査する、などのことを決めました。

何もなければ本当に何もない委員会だったのですが、今日1日は、2000年に僕がこの大学に赴任してきてから最も仕事をした日として記憶されることでしょう。いやはや、疲れました。あとは、自分の研究室の無事を祈るばかりです。


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