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Googleブック検索との和解 [社会]

僕が本を出している出版社の一つから、「重要なお知らせ」が送られてきました。何かと思ったら、

http://books.google.com/intl/ja/googlebooks/agreement/
http://www.googlebooksettlement.com/

の和解に参加しないなら5月5日までに行動を起こさなければならない、という通知でした。Googleブック検索が著作権違反だとして、アメリカでGoogleと一部の出版社・著者が争っていたものが、条件付きでGoogleがデータに本を取り込む権利を認めるという和解になったのですが、これは集団訴訟と認定されたため、裁判に参加していない出版社・著者にも効力が及ぶし、国際条約の関係で、アメリカ以外の出版社・著者も同様の扱いになるのだそうです。

うーむ、一部の関係者との裁判だけで全員が影響を受けるというのは何とも納得しがたい話ですが、しかし、じゃあ僕自身、このサービスのことを知って自分の権利を守るために何かをしたわけではないのだから、ただで著作物を取られてしまうのを食い止めてくれた原告団(?)にはむしろ感謝しなければならないのかも知れません。

その会社では、検索して調査した結果、著書が既にスキャンして取り込まれてしまっている著者に対してこういう通知を行うことにした、ということでした。 和解に参加しないで個人で争うという選択も、5月5日まではできるからです。

他にも僕が著作権(の一部)を持っている出版社はありますが、通知してきているのはこの会社だけです。もしこれがなかったら、何も知らないままに和解内容が執行されてしまっていたわけですねえ。

僕には個人でGoogle相手に裁判をするほどの余裕はないし、いち研究者としては、紙媒体の本の内容が全て電子的に検索できればそのメリットは計り知れないので、和解には従うしかないかな…と思います。一応、対価を受け取るしくみにはなるみたいですし。

しかし、色々な本・著者をブック検索で調べてみて、結果画面(一覧)で見える「概要文」の漢字がやたらと間違っているのが目に付きました。間違いと言っても変換ミスではなく、OCRの認識ミスっぽいものです。

こんなことでは、折角のサービスが実用性に欠けることになるので、やるなら厳密にやってくれ、と言いたいですね。あるいは、将来的には、出版社の方から進んで電子データを提供するという展開もあるのかも知れません。いずれにしても、「本」という形態が揺らいでいるのは確かですね。


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